健康ウォーキング
ヘルスケア(健康管理)
現代は、とても便利な社会になり、あまり身体を動かさない生活をしています。私たち人間にとってはまさに「運動不足の社会」と言えます。人間は、何百万年もの昔から身体を動かすという行為を続けることで進化し、健康を維持する身体の仕組みをつちかってきました。つまり、まったく運動しないでいると、健康状態に異常をきたすような身体の構造になってしまったといえます。
人の健康の為には運動は必須条件、しかし、「運動」と聞くとなかなか始められないものでもあります。それでも、毎日の生活の中で「歩く」という行為はしていると思います。その歩くが運動的なものになるか、ならないかが歩き方の違いなのです。
ある人は、きれいな姿勢でスッスッとリズム良く広い歩幅で歩き、気持ちや体調も元気そうでキラキラしている。また、ある人は、猫背で下を向きながらトボトボと小さな歩幅で移動しているだけ。
この違いはいったい何でしょう。それは日常生活の中で作り上げてきた歩き方と姿勢のクセによる差です。
正しい歩き方は、人の身体のバランスを整え元気にしてくれますが、間違った歩き方をしていると、骨格や関節が歪み負担となり、体の痛みとなったり不快感となって表れ、人の身体の体力を奪うだけになります。
ですので、歩くことは、ヘルスケア(健康促進)なもので間違いないのですが、なかには健康を害するような歩き方をしている人もいるということです。このページでは、その違いなどをご紹介しようと思います。歩き方を理解して、本当の健康ウォーキングを知っていただけたら幸いです。
ウォーキングは理想的な運動
運動といっても、スポーツ選手のようなハードなトレーニングをする必要はありません。とくに、今まで運動をしていなかった人がいきなり激しい運動をするのは、かえって逆効果です。つらいだけで、身体を壊しかねません。
自分の体力レベルに合った無理のない強度の運動を持続することが大切です。
僕自身の身体だと1時間~2時間歩いたところで身体はビクともしない。逆に、普段全然歩いていない人は、10分で息が上がってしまう人もいる。その人には、その10分でも身体の変化が大きいということになります。自分の身体の声を聞いて、時間や距離を調整することは非常に重要です。慌てず効果的なペースを相談しながら作っていきましょう。
歩くこと=有酸素運動
運動を大きく分けると、無酸素運動(短距離走のように短時間で集中して行う激しい運動・動作のこと)と、有酸素運動(十分に呼吸をしてたくさんの酸素を使いながら行う運動のこと)の二つに区別することができます。有酸素運動を定期的に行う場合の健康効果として、次のことが挙げられます。
◎心臓、肺の機能が高まる。
◎血管が強化される。
◎血液の流れが良くなる。
◎血圧を安定させる。
◎身体の脂肪を燃焼させる。
◎成人病の原因となる動脈硬化を防ぐ。
◎ストレスを解消する。
◎体力、特に持久力が向上し、疲れにくくなる。
有酸素運動には、以上のような素晴らしい効果が含まれています。人の体力づくり、健康づくりに最適な運動のひとつがウォーキングなのです。
ウォーキングは心臓を育て脳を活性化する
「老化は脚から」とよく言われていますが、そのきっかけとして、年齢が上がるにつれて運動習慣がないと、どんどん脚の付け根である股関節周辺の筋肉が固くなる、弱くなることで、歩くことが大変な動作になってきます。すると、歩かないから脚の筋肉全体が衰える、歩くキツイのでじっとしている。ますます衰えていく。結果、筋力だけでなく脳や心臓が老化してくる。こういう悪循環になることを言っています。
たとえば、アメリカのハモンドという学者が、中高年を対象に運動習慣と死亡率の関係を調査した結果、65歳~69歳の人を見ると、適度にウォーキングやジョギングをしているグループは、100人あたりにわずか1名しか死亡者がいなかったのに対し、ほとんど運動をしないグループは、12名も死亡者がいることがわかりました。10倍の死亡率です。これは70歳以上から上にいけばいくほど差は広がります。
したがって、脚力や循環系、持久力が弱くなると死亡率が10倍高まることを示しています。その理由の一つは、脚力が弱くなることによって心臓の機能が低下し、血管や血液の働きが悪くなって老化が促進されたためです。
もう一つは、脳の働きが低下した為と考えられます。身体と脳は密接な関係にあり、脳幹の中央部に分布している脳幹網様体という神経がありますが、脚の筋肉(大腿四頭筋)から送られてきた信号が刺激をし、脳の覚醒と活動を活発にします。
歩くことが脳を刺激して活性化させ、頭を若返らせるのです。昨今は、認知症も大きな問題になっておりますが、運動不足の人が認知症になるケースも多く、脳と歩きの深い関係は多くの学者が研究しています。
ウォーキングはストレスも解消
人は歩くことによって血液の循環が促進され、身体の各器官をコントロールする自律神経の働きを良くします。逆にストレスをためたままにしておくと、自律神経が乱れて、イライラや不調におちいり、体に変調をきたします。さらには心身症や神経症といった自律神経失調症の病気にもつながります。いわゆるメンタルヘルスの面で問題が起こるわけです。
ウォーキングを通して、人は季節の移り変わりや大気の香りを感じることができます。自然の中でゆったり歩くことで、心身ともにリラックスしてストレスから解放されます。また、歩いていると脳が活性化され、創造力や集中力が養われ、思わぬアイディアが生まれたりもします。ウォーキングを生活に取り入れると、ストレスに強い健康的な精神と身体を作ることができるのです。
正しい健康ウォーキングの歩き方
誰もが毎日歩いています。しかしその歩き方は千差万別です。正しい歩き方とは「体に無理な力が入らない歩き方、つまり、スムーズで疲れにくい歩き方」です。それは自然と美しい歩き方にもなっていきます。そのために、正しい姿勢と歩き方が大切になります。
1.仙骨を立てて正しく立つ。
2.肩と胸を開き、肺の機能を高める姿勢を作る。
3.つま先と膝の向きをそろえてまっすぐ前に出す。
4.足はかかとから着地し膝を伸ばして、前足に乗り込む。
5.後ろ足のつま先で身体をスッと押し出す。
6.腕は前だけでなく同じ振り幅で後ろにも引くように振る。
7.顎を少し引き、目線は足下から10mほど先の道へ。
この辺りが基本の動作になります。これに重心の移動や体幹ウォーキングの要素が入れば完璧です!
クセのある歩き方は直しましょう
歩き方には、人によっていろいろな悪いクセがあります。あまり日本人は「歩き方」というものを意識していないので、自分ではなかなか気づきにくかったり、何が正しく何が悪いのかが漠然としていてわからないという人が多いのですが、次のようなタイプは悪い歩き方の代表例です。
悪い歩き方というのは疲れやすく、足腰や膝を痛める原因になります。もし自分が当てはまる人は、ぜひ直しましょう。
正しい歩き方というのは、自分で意識するだけでも、ある程度直せると思います。しかし、なぜ僕らのこの仕事があるかといえば、本当にひとりひとり歩き方が違うのです。
例えば、内股や外股の人がいても、つま先の向きを気をつけるだけで直る人もいれば、膝や股関節の問題でそうなってしまってる場合もある。そうすると、その膝や股関節の使い方や状態を直さないと、正しい歩き方にたどり着けない。
だからこそ、全身のウォーキングエクササイズやストレッチによって、正しい歩き方に必要な要素を全部作り上げてしまって、歩き方を習うということが遠回りのようで、最短で歩き方を正す方法なのだと思うのです。
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